共通フリー切符「旅するパスポート」をとことん使う!函館プラス鹿部 1泊2日欲張り旅

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内容は2016年1月のものです。詳細につきましては、各施設へご確認ください。


区間内のJR、函館バス、函館市電が2日間乗り放題になるフリー切符「旅するパスポート」。本州から函館への移住者である記者が、この切符をとことん使った1泊2日旅行をレポートします。出発前には寒さや歩きづらさを心配しましたが、対策をしっかりすることで難なくクリア。(参考記事:すべらない&暖かい、冬の街あるき安全グッズ
美しい雪景色を眺めながらの散策、暖かな室内でのくつろぎなど、冬だからこその印象深い旅行となりました。好奇心旺盛で行動的な方にぜひお勧めしたい行程です。

1日目8:00a.m. 旅のスタートは、JR函館駅

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「旅するパスポート(以降、旅パス)」の発売場所は、JR北海道函館支社管内の主な駅・旅行センターです(記者はJR函館駅窓口にて購入)。JR函館駅は、目の前に函館駅前バスターミナル、市電「函館駅前」電停があり、どこに行くにも便利です。 注)本記事に掲載する交通機関の運行状況や施設の内容は2016年1月現在のものであり、参考としてご覧ください。トラピスチヌ修道院や縄文文化交流センターなど郊外へのバスは本数が非常に少ないため、事前に函館バスHPまたは、函館駅前バス案内所(TEL0138-22-8111)で確認されることをお勧めします。

9:00a.m. 五稜郭タワー展望台から五稜郭公園を一望

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JR函館駅からバス(60番の五稜郭経由 山の手団地行に乗車/五稜郭行きバスは複数あります)で約15分、「五稜郭公園入口」バス停で降りるとすぐ見えるのが、五稜郭タワーです。展望台に登ると、雪の中に浮かぶ星形の五稜郭公園を一望することができました。チケット購入時に「旅パス」を提示すると「四季のオリジナル五稜郭公園ポストカード」をもらえますので、お忘れなく。

9:30a.m. 五稜郭公園を散策

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五稜郭公園の中に入ると聞こえてきたのは、子どもたちの歓声。ふかふかの雪が積もった土手は最高の滑り台ですね。(参考記事:函館の公園で雪遊び

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五稜郭公園の中央には、箱館奉行所があります。箱館戦争の際に艦砲射撃を受けて使用不能となり、1871(明治4)年に解体されましたが、2010(平成22)年に部分復元された歴史的復元建造物です。内部見学ができますが、美しい外観の写真を撮るのに夢中になってしまい、タイムオーバー。

10:00a.m. 函館市北洋資料館で北洋漁業の歴史を学ぶ

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続いて、五稜郭公園に隣接する函館市芸術ホールと同じ建物にある、函館市北洋資料館へ。縄文時代~明治にかけての漁業や、漁業基地として栄えた函館の歴史に関する多数の資料が展示されています。一番人気は、独航船の操舵室シミュレーター。荒れ狂う波間を行く北洋航海の再現に、思わず船酔いしてしまいました。そのリアルさにはびっくりです。(旅パス提示で、入館料100円が80円に)

11:15a.m. トラピスチヌ修道院で癒される

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駆け足での五稜郭エリア観光を終えて、先ほど降りたバス停「五稜郭公園入口」から再びバスに乗車。季節や曜日によっては、五稜郭タワー前からトラピスチヌ修道院へのシャトルバスが運行しています。約30分後、「トラピスチヌ入口」バス停で降車し、徒歩5分でトラピスチヌ修道院に到着しました。 日本初の女子観想修道院として1898(明治31)年に創立され、今も、修道女の皆さんが祈り、労働、聖なる読書を日課として共同生活を送るトラピスチヌ修道院。雪の中にたたずむマリア像のお顔は優しく、その雰囲気に癒されました。聖堂には入ることができませんが、前庭や、売店併設の資料室を見学することができます。

1:00p.m. 函館朝市で海鮮丼に舌鼓

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「トラピスチヌ入口」バス停からバスに乗車し、約40分で「函館駅前」バスターミナルに到着。今朝、出発した場所に戻ってきました。さあ~おなかはペッコペコ。駅の目の前にある函館朝市で、昼から豪華に「海鮮丼」を食べます!(参考記事:函館に来たら、やっぱり朝市の海鮮丼!

2:00p.m. 函館市文学館で「石川啄木の直筆」に感激

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午後は旅パスを使い、市電に乗車しました。市電は日中約6分~12分間隔で運行しており、時刻表を確認しなくてもいい気軽さがあります。市電「函館駅前」電停から約10分で「十字街」電停、そこから徒歩7分の場所にあるレトロな建物(旧第一銀行函館支店)、函館市文学館を訪れました。
函館市文学館の目玉は詩人「石川啄木」の直筆資料。半年に一度入れ替わる資料は全国でここでしか見ることができない、貴重なものばかりです。この日は、啄木のよき支援者であった宮崎郁雨への書簡が展示されていました。その毛筆の躍動感に、確かにこの地で生きていた石川啄木の存在を実感して感激しました。書簡の中には、「函館が恋しい」という一言も……啄木は函館の街を愛していたのですね。(旅パス提示で、入館料300円が240円に)

2:30p.m. 北島三郎記念館でパワーチャージ

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続いて、隣接するウイニングホテル函館内にある、北島三郎記念館へ。函館近郊の知内町で生まれた歌手・北島三郎さんの軌跡とともに昭和~平成の歴史を振り返ることができる、体験型記念館です。歌手への夢を抱いて上京し、7年間の「流し」での苦労を経てつかんだ成功への切符……その生きざまと、名曲「まつり」の力強い歌声に、パワーがみなぎりました。(旅パス提示で、大人入場料1540円が1440円に)

3:15p.m. 郷土資料館で、函館の街並みの秘密を知る

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市電通りを挟んで斜め向かいにあるハイカラな建物が、市立函館博物館郷土資料館(旧金森洋物店)です。スタッフのかたが「当館の大きな魅力は、この建物自体です。実業家・渡邉熊四郎が、開拓使の家屋改良貸付金を活用して1880(明治13)年に建てました。開拓使は、度重なる大火に被災しないための石造・煉瓦造または土蔵などの不燃建築材使用の建造物を奨励しました。その外観については、開拓使長官の黒田清隆が出張先で好印象を抱いたウラジオストックの街に倣うことを奨励したとされています。」と教えてくれました。(参考記事:函館の街並みの「華」和洋折衷住宅の魅力 / 旅パス提示で、入館料100円が80円に)

3:45p.m. 函館市北方民族資料館でアイヌ文化に触れる

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このエリアには、歴史的建造物が建ち並んでいます。旧日本銀行函館支店の建物を活用しているのが、 函館市北方民族資料館。入ってすぐの展示ホールには、幕末から明治初めにかけてのアイヌの人々の生活を描いた「アイヌ風俗12ヶ月屏風」が飾られています。このほか、アイヌ民族、北方民族の衣装や生活用品をはじめとする資料はどれも興味深く、特に、衣装に施された美しい刺繍に目を奪われました。(旅パス提示で、入館料300円が240円に)

4:30p.m. 国の重要文化財、旧函館区公会堂へ

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続いて、北方民族資料館の目の前から伸びる基坂を登り、旧函館区公会堂へ。館長さんが「旧函館区公会堂の特徴のひとつは、この建物が開拓使函館支庁(後の北海道庁)の上に位置することです。当時の函館において、民間人の力がいかに強かったかを示しています」と教えてくれました。130坪の大広間や大正天皇が皇太子時代に宿泊した貴賓室、美しい調度品は、どれも函館の大工や職人たちが丹精込めて作り上げたものであり、現代では値がつけられないほど高価なものだそうです。(旅パス提示で、入館料300円が240円に)

5:30p.m. 世界に名高い夜景を観賞

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旧函館区公会堂から徒歩10分のところにある、函館山ロープウェイ山麓駅。ここからたった3分で、山頂の展望台に行くことができます。 なお、チケット購入時に「旅パス」を提示すると「オリジナルポストカード」をもらえますので、お忘れなく。

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光を映す鏡のような海と街の明かりのコントラストが美しい、函館山からの眺望。旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイドジャポン」で、「わざわざ旅行する価値がある」を意味する三つ星として紹介されたのにも納得です。(夜景の時間は冬と夏で3時間くらい違うので、行かれるかたは事前にチェックを。参考記事:よくある質問「夜景が見られるのは何時ごろですか」

7:00p.m. 大門横丁で楽しい夕食

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夜景の感動を胸に、市電で「函館駅前」電停まで戻り、そこから徒歩4分、函館ひかりの屋台 大門横丁へ。バラエティ豊かな30店ほどが軒を連ねる屋台村です。

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この日訪れたのは、網元直営の居酒屋「炉ばた大謀」。肉厚のホッケはふっくらとしてジューシー、自家製イクラは口の中でとろけて、美味しい! 気さくな女性店主やお店の常連さんたちとの会話も弾み、楽しいひとときを過ごしました。

9:30p.m. 宿でも、夜景を満喫

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この日の宿は、函館駅の目の前にあるロワジールホテル函館(現フォーポイントバイシェラトン函館)です。13階にある夜景バー エステラードが人気と聞き、行ってみました。大きな窓からは函館山と函館港を一望、先ほど山から見下ろしたのとは逆からの夜景を眺めることができます。夜景をテーマにしたプロジェクションマッピングの上映や、星空をイメージしたオリジナルカクテルなど、函館の夜を満喫するには最高のバーです。(参考記事:フォーポイントバイシェラトン函館で、夜景満喫ステイ

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泊まった部屋は、夜景評論家が監修した「夜景Room」です。夜景をイメージした照明やBGM、心地よいアロマの香りにくつろぎ、街歩きの疲れを癒すことができました。

2日目6:20a.m. ステーションビューに朝から興奮

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爽やかな目覚めの後、窓の外を見ると……そこには、函館駅と函館港の静かな雪景色が広がっていました。あまりの美しさにカメラを取り出し、朝っぱらから撮影大会です。鉄道に興味がなくても大興奮のこの景色、鉄道好きなかたはさぞ大喜びされることでしょう。

8:45a.m. 自然豊かな函館公園へ

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ホテル自慢の朝食をたっぷり食べて、さあ、今日も冬の街に出かけましょう。まず向かった先は、函館公園(市電「函館駅前」電停で「青柳町」下車、徒歩2分)夜のうちに積もった、まだ誰も歩いていない新雪の道を歩いていきます……楽しい! 緩やかな坂を登って体がポカポカしてきた頃、目的の市立函館博物館に到着しました。

9:00a.m. 函館博物館で宝さがし

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市立函館博物館には、出土銭貨としては日本最大量を誇る「志海苔古銭(国指定重要文化財)」などの考古資料、アイヌ風俗画などの美術工芸資料、ペリー来航・箱館戦争に関する歴史資料、化石や動植物などの自然科学資料、バラエティに富んだ資料が多数展示されていました。また、隣接する旧函館博物館1号は、現存する日本最古の博物館です。自分にとってのお宝資料がきっと見つかる施設です。(旅パス提示で、入館料100円が80円に)

10:40a.m. 函館駅からバスで郊外へ

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さあ、函館市内の施設を満喫したところで、せっかく乗り放題の「旅パス」を持っているのですから、郊外へ遠出をしましょう。市電で函館駅前に戻り、バスターミナルから「川汲経由鹿部行き」に乗車して約1時間20分、「臼尻小学校前」バス停で降車し、徒歩10分、函館市縄文文化交流センターへ向かいます。(参考記事:縄文文化交流センター、バスでのアクセスガイド)

12:10p.m. 函館市縄文文化交流センターで国宝を観賞

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函館市縄文文化交流センターは、縄文文化が栄えていた函館市南茅部地区に2011年にオープンした博物館です。ここには、北海道唯一の国宝「中空土偶」が常設展示されています。また、亡くなった子どもを偲んで作られたと考えられる「足形付土版」からは、縄文時代の人々の家族愛を感じられます。(旅パス提示で、入館料300円が240円に)

12:40p.m. 体験学習室で土器づくりに挑戦

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バスの出発時刻まで時間に余裕があるので、体験学習室でミニチュア土器づくりに挑戦しました。予約不要、講師のかたが丁寧に教えてくれます。縄文人の暮らしに思いを馳せながら、粘土をこねて形作り、縄で文様をつけました。完成品は家に持ち帰り、乾かした後、オーブンで焼いて完成。このほか、体験メニューは7種類あり、小さなお子さんから大人まで楽しめます。

2:30p.m. 浜のかあさん料理教室in鹿部町

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いよいよ、今回の旅の最後の目的地へ向かいます。「臼尻小学校前」バス停から再びバスに乗り、約25分、「鹿部築港前」バス停で降車し、徒歩3分。函館のお隣り鹿部町の、しかべ間歇泉公園にやってきました。出迎えてくれたのは漁協女性部の、えっちゃん&ときちゃん。これから、彼女たちが指導してくれる「浜のかあさん地元料理体験」に参加します。(旅パス提示で、入場料300円→200円に。料理体験参加費は一人3000円、最少催行人数2名、1週間前までに要予約、鹿部町役場観光商工課TEL01372-7-5293)

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この日用意された食材は、八角、とろホッケ、エゾバフンウニ、ホヤ、ふのり。鹿部の前浜で獲れたばかりの新鮮な海の幸です(食材は季節や漁の状況によって異なります)。

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ご一緒した男性は普段、料理をされないそうで、「魚の三枚おろし」に初挑戦。母さんたちが「あら!上手じゃない!」と褒めながら、丁寧に指導してくれます。

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エゾバフンウニは包丁で割ったあと、スプーンで身をすくいます。殻の中にある黒いものは何だろう?と思ったら、昆布だそう!美味しい昆布をたくさん食べているから、美味しいウニになるんですね。初めて知りました。このほか、八角の皮をパリパリと手ではがすのや、ホヤを剥くのも、すべてが初めての経験。忘れられない思い出になります。

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出来ました!豪華ウニ丼、とろホッケの煮つけ、八角の刺身、ホヤの酢の物、ふのりの味噌汁。加えて、母さんたち手作りの、かじかの飯寿司(いずし)、赤カブ漬物、たくあん、キムチも並びました。ウニの甘さに悶絶し、ホヤのみずみずしさに感動、八角のプリプリとした食感に陶酔……まさに至福のひとときです。

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さらに楽しいのが、食事を囲んでの、母さんたちとのおしゃべり。「うちの父ちゃんは浜言葉がきつくて、家族でもナ~ニ言ってんだが分がんね」「この辺は名字で呼ばねで屋号で呼ぶから、屋号電話帳もあるんだ~」。いっぱい食べて、笑って、大満足の料理体験でした。(通常は所要時間2時間。今回は帰路の都合により、1時間15分の短縮バージョンでお願いしました) 帰路は、徒歩で約13分の「鹿部出張所」バス停からバスにのって約17分、「鹿部駅前」バス停降車。その後、JR普通列車に乗って約1時間、函館駅到着は17:39でした。

交通費は2030円のお得! 函館&鹿部の魅力を満喫

今回の行程に基づく通常の交通費は5110円。「旅するパスポート」は3080円(2016年1月現在)なので、2030円のお得でした。さらに、旅パスの提示により、観光施設等の料金は合計480円割引になりました。 旅パスは2016年3月26日から区間が広がり、道南いさりび鉄道全線にも乗車できるようになります(価格は3380円に改定。木古内駅~函館駅の通常運賃は1100円)。北海道新幹線「木古内駅」で降車した後、函館駅への移動にも使えますので、ますますお得な切符になりますね。

今回、「旅パス」を使ってみて一番よかったのは、函館&鹿部の魅力を満喫できたことです。室内に閉じこもりがちな冬に、あえて、旅パスを使い倒すために巡った観光施設・名所は16か所。雪に彩られた街や自然の美しさも堪能し、撮影した写真は200枚を超えました。次回は、今回訪れなかった森町や七飯町にも足をのばす旅を計画したいと思います。好奇心旺盛で行動的なあなたに……「旅するパスポート」を使う旅、おすすめです!

※編集室A 2016/1取材・公開